対話型AIとのお付き合い

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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毎年年末に清水寺で今年の漢字が発表されますが、世界各地でも同様のことが行われていることが新聞記事になっていました。

記事を引用すると「日本の今年の漢字は「税」だったが、卵や水の不足が指摘された台湾は「欠」、マレーシアは高価の意味の「貴」。どこも日々の生活に手いっぱいの庶民の姿が浮かぶ」とあり、アジア圏は生活に関係するところから言葉を選んでいるのかな、と感じました。
英語圏ではSNS上で流行した言葉やチャットGPTなど人工知能に関連する単語が選ばれているとのこと。
イギリスケンブリッジ辞書が選んだ言葉は、対話型生成AIがもっともらしいウソをつくことを指す「ハルシネイト(hallucinate)」という言葉だそうです。

私もこのコラムを書く際に事前の情報収集や下書きとして書いた原稿の推敲のためチャットGPTを利用しています。
ただ確かに嘘はよく出て来ます。
昨日のおせち料理について情報収集をしていて、おせち料理の種類について確認してみると、「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」と項目としては正しいものが出て来ました。
しかし、それぞれの代表的な料理が、焼き物が焼きそばとなっていたり、酢の物が酢豚となっていたり、煮物は豚の角煮になっていました。
何か豚に思い入れがあるAIだったんだろうか、と思う結果です。
有料の最新版ならもう少し精度の高い結果が出るそうですが、無料の旧バージョンではこれくらいなのでしょう。

よく嘘を信じてもらうためには、大量の真実の中に少しだけ嘘を混ぜる、と言います。
チャットGPTも多くは正しいことを言うので裏どりをしないと本当に信じてしまいそうになります。

一方で、粗く書いて原稿をもとに、新たなコラムの切り口を提案してもらうと、思っても見ない斬新な意見が良く出て来ます。
大量のデータを読み込ませて、その中で規則性などを発見するのも得意だと言われています。
セミナーのタイトルを考えるのに、題材だけ伝えて50個提案させると、いくつかは面白いものが出て来て、アイデア出しのサポートをしてくれます。

情報検索や0から考えるという段階ではまだまだ難がありそうですが、こちらが何かしら持っていて壁打ちをする相手としては優秀なのではないかと思います。
その意味では「対話型AI」という言葉はピッタリなのかもしれません。
まだ単独で自律して情報収集して判断して何か行動するという段階ではないのでしょう。

上記で引用した記事の最後でも「手塚治虫さんが作り出した鉄腕アトムは病人を思いやってウソをつき「いいうそならついていいでしょう?」と弁解したことがある。そこまでいけば完璧だが、まだまだ不完全で取り扱いには注意が必要ということか。」と結ばれています。