心の隙を突く

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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市役所勤務の最後の4年間は兼務で消費生活センターの担当もしていました。
コロナ以前は区自治会からの出前講座の要望も多く、よくお話に行っていました。

1時間程度の講座でお話しする内容は2つ。
「悪質商法」「特殊詐欺」についてです。

悪質商法は、違法とまでは言えないが、たちが悪くトラブルになりやすい案件です。

少し前によくあったのが、鍵のトラブルで家に入れないため、ネットで安いと表示された業者に頼んだら作業後に高額な作業賃を請求された、というもの。
家に入れなくて焦っているお客様の心理状態につけ込んでいました。

災害が増えたことから出てきたのが、無料点検を謳ってドローンを飛ばし「屋根が壊れている。すぐに修理しないと雨漏りがして被害が拡大する。家の火災保険が使えるので手数料をいただき申請をサポートする。」と言って、高額な修繕工事を契約させるものでした。
実際はそんなに深刻な被害ではなく、また保険も経年劣化や別の災害によるものと判断され使えないにもかかわらず、割高な手数料を取っていきました。
高齢者は屋根に上がったり出来ないため、専門業者をかたる人から言われると信じてしまい、また保険を使って負担が少ない、と言われると、今のうちに、という気持ちが働きがちになることによるものでした。

特殊詐欺については、典型的なものほどよく被害が出ていました。

携帯のSMS未払い金があるなどの、メッセージを送り、電話をかけてきた人をATMに誘導する「架空料金請求詐欺」
電話で、家族や家族の同僚、弁護士などが次々に登場する「劇場型詐欺」
税金や保険料などの還付金
があると騙って、ATMで受取手続と偽ってお金を振り込ませる「還付金詐欺」

どれもストーリーが良く出来ており、銀行が間もなく閉まる時間に電話して焦って行動させる、など計算された手口でした。

こうしたお話をすると、高齢者の方は「その頭脳を良いことに使えばいいのに。」と言われますが、犯人は捕まれば必ず刑務所入りとなることが分かってるため、犯罪に心血を注いでいます。

自分は騙されない、と安易な気持ちでいる人の隙を巧みに突いてきます。

ベストな対応は、電話を留守番電話モードにして、かけてきた相手を確認してから電話に出る、というものです。
どの留守番電話でも自分で応答メッセージが入れられます。
「詐欺対応のため、留守番電話にしています。メッセージの後にお名前と用件と電話番号を入れてください。こちらから折り返します。」と吹き込めば、用心深い相手にわざわざ仕掛けてきたりはしません。

騙されたかも、と不安に思うことがあれば、すぐにお近くの消費生活センターに連絡してください。
局番無しの「188」をかければ、郵便番号を聞かれ、開設中の近くのセンターに繋いでくれます。
覚え方は「騙されるのイヤや(188)」です。