仏教の宗派はラーメン屋と同じ?

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。

「仏教にはなぜ色々な宗派があるのか?」という質問をよく受けます。
この質問の正解を答えるのは難しいですが、喩えとしてお答えしているのが、「仏教の宗派はラーメン屋と同じ」というものです。

超絶旨いラーメンを作る親方「お釈迦様」は、「美味しいラーメンを届けたい」をポリシーとして店を開き、作り方も惜しみなく弟子に伝えました。
やがてお釈迦様が亡くなり時が経つと、弟子の中でお釈迦様のラーメンの旨さは「スープが大事」「麺が大事」「スープと麺のバランスが大事」などの主張が出てきました。
実際のところお釈迦様は人に合わせて色々と変化をつけていたのだと思いますが、もういらっしゃらないので、そのラーメンを確認することは出来ません。
結果として、色々な要素を売りとするラーメン屋が出来、スープ一つをとっても味噌、醤油、塩、豚骨、魚介、ブレンドなどに分かれました。

しかし、どのラーメン屋も目指すのは「美味しいラーメンを届けたい」という一点です。
山の登り方は色々あるけれど、目指す山頂は同じ、ということです。

もうお釈迦様がいらっしゃらない中で、スープだ、麺だ、と他宗派の批判も出来ません。

他のラーメン屋を批判するのでなく、自分が味わった中で、これが最高だ、と感じたものをいただき、他のラーメンを食べては違いを確認していくのが現代の仏教なのかな、と思います。