出産も育児も命がかかった大仕事です

滋賀県高島市の僧職系行政書士の吉武学です。

昨日の子育てや家事の話でさらにもう一つ。

岸田首相が産休育休中に学び直しが出来るようにとの国会答弁をしていました。
子育てに関わることなく、自分の時間を自分が使いたいものに使うことができた人の発想だな、と感じます。

そもそも出産直後の産褥期なんて、母親は大量の血を流して重傷を負った怪我人ですし、産まれたての子どもなんて、ずっと目を離せません。
泣くとお乳かオムツかと心配になるし、静かにしていると息をしているか、生きているかと心配になります。

ウチの長男はいわゆる背中スイッチが付いていて、あやして寝かしつけても布団に置いた途端に泣き出していて、妻は毎日ほとんど寝れずナーバスな顔をしていました。
私が仕事から帰ってきて、妻は寝かしつけ中だな、と気づき、今のうちに台所の洗い物を静かにすませておこう、と触りだしたら、血走って吊り上がった目の妻がやってきて「今はそれをやらないで」と怒られました。
後日、妻からは「なかなか寝ない子どもだと分かっている中で、家事をして欲しいのではなく、一緒に育児をして欲しかった。時間と空間を親として共有して欲しかった。」と言われました。

新日本プロレスのスター選手、オカダ・カズチカ選手が第一子の誕生に際し2週間の育休を取得し、NHKがインタビューしていました。
「今、心折れかけています」
「プロレスでは、ここ10年くらいで1回しかギブアップしていないですけど、育児では、ここ3か月で何十回もギブアップしています」
「もう何回、妻を呼んだことか。子どもが泣いてる横で電話して『いつ帰ってくるの?』とか」

インタビュー記事のオカダ選手の言葉を読むだけで、産休育休中の小さな子どもを持つ親が本当に求めているのは、首相が語った内容とは違うと思います。

そもそも子育てに対する国のサポートはもっと手厚くして欲しいですが、それと賃金アップのためのリスキリングなどを組み合わせるのは、何か違う気がします。
正直なところ、子育てのお金で最もかかり、また親が心配しているのは高校・大学のための学費なので、ここを全て無償化するだけで、大きな子育て施策になると思います。

それ以上に、国が、社会が、子どもを産むこと、育てることの大変さへの理解を公に示して、共感とサポートをする姿勢を見せることが少子化対策のキモなのではないでしょうか。