滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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ウチの子どもたちが通っていた少年少女合唱団が、進学等の関係で団員数が減少して休団となりました。
30年以上にわたって続けられてきた合唱団で、ウチの可愛い可愛い嫁も昔所属しており、先生も団員数さえいれば続けたい意向もあるので、ちょっと残念な気持ちもあります。
子どもの数が昔に比べて減っている、とか、プログラミングなど新しい習い事が出てきたから、など継続が難しい理由はあると思います。
株式会社イオレが昨年実施した「習い事に関するアンケート」結果によれば、約400人の回答者の92.9%が習いごとをしています。
また、習い事の数は1つが19.1%、2つが31.4%、3つが25.1%、4つ以上は24.4%と一人でいくつもの習いごとをしていることが分かります。
習い事の内容としては上位から水泳、サッカー、英会話、体操、ピアノ、通信教育、学習塾、公文、ダンス、習字・書道となっています。
習いごとを始めた理由の1位は「子どもが希望したから」ですが、2位以降は「体力づくりや運動能力の向上になるから」「将来的なスキルにつながるから」「学校の授業で役に立つから」といったあたりが並びます。
このアンケートから考えると、水泳、サッカー、体操、ダンスなど身体を動かすものは、子どもが希望したところが大きいのかなと思います。
トップ10に続くところでも野球や柔道・空手が入っており、身体を使う楽しさや団体競技で友達が出来るところは、習い事を続けて生きやすい要素だと思います。
また、アンケート上位に「体力づくりや運動能力の向上になるから」が入っていることからも、それとなく親が促している面もあると思います。
英会話、ピアノ、通信教育、学習塾、公文、習字・書道といったあたりは、「将来的なスキルにつながるから」「学校の授業で役に立つから」という理由からで、親が勧めているのでは、と考えられます。
合唱団は、自分の身体一つで参加出来て、ピアノのように楽器を購入する必要もありません。
また、異年齢が集まることから、昔の多人数兄弟のように年齢が上の子が下の子の面倒を見て、下の子は上の子に憧れや尊敬を抱くといった効果もあります。
ただ、アンケートにでてくるような、「スキル」や「学校の授業で役立つ」という面は期待できないでしょう。
限られた時間を楽しみでなく、経済的価値を生み出すことに使っていくのは、流行りのタイパに繋がるものに感じます。
先ほどの習い事のように現在か将来に役立つものであるから価値がある、という考え方を世間では「資本主義」と言いますが、危険性もあります。
価値を生み出すものが尊重され、価値を生まないものは意味がないとなれば、もっとも排除されるのは、労働が出来ない高齢者や障害者だからです。
現在、労働に関わって経済的価値を生み出せていたとしても、いずれ高齢者となり価値を生み出せないとなれば、私たちは将来に安心を持てないまま人生を送ることになります。
また経済的価値を生み出し続けなければ、存在意義が見いだせなくなるため、毎日の生活、読書の内容、余暇の過ごし方さえ窮屈なものになっていくでしょう。
元々の習い事は子どもが楽しいと思えることからスタートして、様々なことに興味を持ち、自分自身の可能性を広げるために行っていたはずです。
親は、何かの目的のために子どもに習い事をさせるのでなく、子供たちが自分自身を見つけられるようなサポートが望ましいのではないでしょうか。