滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
内閣府の平均寿命の推移の資料を見ると、男女ともに平均寿命が70歳を超えたのは1971年(昭和46年)からです。
70歳は、唐の詩人・杜甫が詠んだ詩「人生七十古来稀なり 」から「古希」と言いますが、多くの人が70を越えて生きられるようになったのは、ほんの50年ほど前からなわけです。
昭和初期から高度経済成長の頃、父親が60代で亡くなるとすると、次の当主は30代前後になります。
年齢的にお葬式をはじめとする仏事に疎くても仕方が無く、出棺の際の喪主挨拶で「まだ若輩者ですので」と言われると納得する状況でした。
その後、徐々にお寺参りや仏事の経験を積んで、50代の気力・体力が充実する頃に、お寺の役員なんかも務められました。
今は70代で亡くなると「早かった」と言われる時代です。
100歳を超える人は今や9万人を超えており、その子どもなら70代でしょう。
先日、100歳を超えた方のお葬式で、出棺の際の70代の喪主の挨拶で「まだ若輩者ですので」と言われたときは心の中で思いっきりツッコんでいました。
法事などの際に、お参りに来られた皆さんが「何も知らなくて」と恐縮されていますが、今の時代なら仕方の無いことだと思います。
一方で、参詣者側に努力を求めるばかりでなく、寺院側も法要の段取りや式次第などをわかりやすく示す努力が必要だと思います。
私も、黒板に式次第を書いて、始まる前に法要の内容とお焼香の方法などを説明しています。
また、ご縁ができた方にはLINEをお伝えして、法要に限らず悩み事や些細な疑問でもお尋ねいただいてます。
みんなが長生きしたいと願い、それが叶えられたことによって、違う問題が起きてしまうという皮肉な状況ですね。