滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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私は中学時代、部活の筋トレが過酷すぎて、お腹がシックスパックになっていたのですが、高校・大学と超怠惰な生活を送り、あわやで3桁㎏直前までいきました。
ちなみに大学時代は雀荘に入り浸り、日付が変わる頃にアパートに帰って、焼そばUFOの大盛にシーチキンとマヨネーズをかけて食べるのが好物でした。
さすがに3桁はヤバい、と思い、何とか踏みとどまりましたが、仕事をしていると意識しない限りはなかなか大きく痩せず、毎年微減する程度でBMIは高数値を保ってました。
個人事業主になってからは、諸々のストレスから解放されたためか、以前よりも体重の減少ペースが上がり、目標値まであと少しまで来ました。
しかし、戦後まで肥満は嫌悪されるものではありませんでした。
落語を聞くと「これはこれは、よくお太りなさって」という言葉がよく出てきます。
また、落語の聞き手を褒めて「耳が肥えている」という言い方もあります。
また今でも腹回りや肩周りが大きいことをさして「恰幅が良い」という言葉があります。
肥満や太っているというのは、むしろ褒め言葉だったのです。
それが証拠に、大正時代の作家が出した手紙には「愈々御清祥御肥満(いよいよ ごせいしょう ごひまん )何より喜びます。」と御清祥と御肥満が並べられ、相手の「御肥満」を願っています。
時代的に太れるほど食べれなかったということもあり、ふくよかであるということは羨ましい存在だったのです。
じゃあなぜ肥満が嫌悪されるようになったかと言えば、さきほども取り上げたBMI(Body Mass Index)です。
体重kg ÷ (身長m)の2乗で算出される肥満度を表す体格指数と言われます。
このBMIについて、イギリスの作家、ジャック・ペレッティが著書「世界を変えた14の密約」の中で、医学的な裏付けが何もないことを明らかにします。
BMIは元々、ベルギーの数学者が統計数値として提案しましたが、本人も「肥満度を算出するには曖昧なものだ」と言っているレベルのものでした。
1945年に、アメリカの保険会社メトロポリタン生命の社員が「あなたは肥満だから保険料が高くなります」と言いたいために、この指数を広めたのです。
それまでの社会では「標準」に分類されている人が、BMIによって「肥満」に分類され、高い保険料を払わされるとともに、痩せなければならない、太っていると不健康だ、と脅迫されることになったのです。
BMIそのものは、単なる数字ですが、それを悪用する人によって、我々の健康の定義が変えられ、生活スタイルや食生活も変えさせられました。
まことにマーク・トウェインが言ったとおり「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」です。