子どもを産むも産まないも選択肢

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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人口動態統計の速報値で、令和4年に亡くなった方が158万2033人、生まれてきた子どもは79万9728人とありました。
国の以前の見込みでは、出生数が80万人を割り込むのは令和15年としていたため、10年以上実数が前倒されている形となっています。

Facebook上のあるコミュニティでは、この話をテーマにして議論が交わされていました。
死亡数は人口のボリューム層に来ているので仕方が無い、との意見にみんな納得していましたが、出生数については、何が課題かで議論百出でした。

厚労省の出生率の統計データからは、既婚者の子どもの数は過去からそれほど変わらない結果が出ています。
1月に麻生太郎元首相は、出産女性が高齢化しているから沢山産めない、と言っていますが、データからこれは誤りです。
また、政治家の中には既婚女性は出産しているのだから、未婚の女性が増えたのが悪い、と言う人もいますが、これは高度経済成長期から考え方をアップデートできていないものです。

社会として未婚既婚にかかわらず子どもを持つことを祝福する社会にすることが必要だと思います。
今回の国会前にフランスのN分のN乗方式の税制などが話題になりました。
制度の善し悪しなどはもちろんありますが、要はフランスは「産めば産むほど有利になるシステム」を作って出生率の改善を目指したのです。

未婚も既婚も選択肢です。
子どもを持つのも持たないのも選択肢です。
また、子どもを持ちたくても色々な事情で持てない人もいます。

日本の伝統的な家族観などと言われますが、せいぜい戦後の話です。
その価値観に縛られて、未婚で子どもを持ったり、結婚して子どもを持たないことに対する否定的な意見が強すぎると感じます。

今の日本では、子どもを持つことに経済的な価値が見出せません。
そこを命の大切さとか、子育ての喜びなどという言葉で誤魔化さず、具体的な対策を打っていくのが政治家の役割ではないでしょうか。