滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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能登半島地震の対応がなかなか進んでいないことが報道されています。
半島という細く狭い地域で、限られた道路沿いにしか対応できないということもあるのでしょう。
また海岸部分で海底がだいぶ隆起しているようなので、海からのサポートもスムーズではないのだと思います。
孤立集落に対して自衛隊が人力を活かしてサポートする様子がしばしばテレビで放送されていました。
集落内で比較的体力のある方と一緒に物資をバケツリレー方式で運んだりされていました。
あまり報道されていないようですが、孤立化が長期化するとみられている所では集落単位でいったん避難しているところもあるそうです。
それでも「故郷を離れたくない」と言われている方を説得するのは非常に大変なようです。
今回の地震では、個人単位のボランティア活動は待ってほしい、まだ来ないでほしい、という報道が盛んにされています。
道路が寸断されている状況で多くの車両が乗り込んで渋滞が起きているのは間違いないようです。
さすがに十日以上経っているので、物資については、足りているもの、足りないものということがあるにせよ、口にするための食糧と水はある程度届いているようです。
そのためか、個人単位で支援物資を持って行った人が、「被災者はもっと多くのサポートの人を待っている」「避難所の物資の配布などの人手が足りないので今でもボランティアでもっと行くべきだ」というコメントを出しています。
このことについて、行政にインタビューした記事が載っていました。
この記事内では、NPOなどの中にはプロ級の知見を持ったところもあるので、そこには許可を出すというような関係はなく、自衛隊と同じような形で入ってもらっているとのこと。
つまりある程度、自己完結できるような組織が自主的に行っているのだ、というわけです。
一方で、個人単位のボランティアを受け入れるための、受け入れ側の組織ができていないことも書かれています。
現地での行政や組織を煩わせることなく、水、食料、燃料、宿泊先などを確実に手配して行ける人はそう多くはないでしょう。
石川県でも北部の地域はまだまだ孤立解消などのフェーズであるのに対して、南部は片付けが始まったり先のフェーズに進んでいるといいます。
片付けであれば人手は欲しいでしょうが、これもまた受け入れ側の組織が機能しているかは分かりません。
被災者は少しでも自分をサポートする存在が必要なので、もっと来てほしい、と言うでしょう。
ただ個々の事情でなく、俯瞰的に災害全体を見て復旧・復興の進捗を考えるなら、やはり報道のとおり、ボランティアの登録をしておいて時期を待つというのが正しいのだと思います。
日本では、法律上、国と都道府県と市町村が対等関係にあります。
そのため災害が発生すると、市町村は当面の対応に忙殺され、都道府県は調整レベルしかできず、国も強権的なことはできない、と誰も主導権を取らない状態になります。
この行政レベルでの災害対応を改善できると、ボランティア活動の受け入れも含めて改善ができるのだと思います。