残飯対策のふりかけ持参、市議会の批判は的外れ

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらから。

先日、兵庫県川西市で市長と中学生の懇談会の中で提案された残飯対策のふりかけ持参が市議会で批判されているというニュースが話題になりました。

市議会では、給食の栄養バランスや塩分の調整に苦労しているから、ふりかけで影響があることが問題だという意見が出されました。
またニュース番組ではコメンテーターのひろゆきさんが「出された料理の味を変えるのはすごく失礼で下品。そのまま残さず食べるのが人としてあるべき姿だよねと教えるべき」と言っていますが、これこそまさに「それってあなたの意見ですよね」というやつです。
別の機会にコメントを求められれば「SDGsが叫ばれる現代で中学生が自主的に対策を考えて実行したことは素晴らしい」と言うのではないでしょうか。
どちらの意見もそれなりに理があるので、ふーんと聞き流す程度のコメントだな、と感じました。

この件の問題は、残飯でもふりかけでも栄養素でもなく、子ども達の自主的な提案をつぶしたという一点だと思います。
反対しているのは日本共産党の議員のようですが、議員が言っていることの内容が間違っているとは言いません。
ただ川西市が給食の実施に向け大きな努力を払ったのだから、その給食に変化を与えるのはけしからん、と言っているように聞こえます。
ただ子供たちが残飯を問題と感じ、わざわざ市長との懇談という場を選んで提案して実現させたのですから、主権者として素晴らしい行動ではないでしょうか。
残飯を減らす方法がふりかけというのが稚拙だ、という意見もあるようですが、であれば、記事にも書かれたふりかけ持参の割合や残飯の量の変化などを中学生に示して、この方法でいいのか、違う方法を考えるべきなのかを、再度投げかければよいのです。

この一件で川西市議会は全国に向けて、子どもの主体性を認めない、市議会が苦労して築いた給食の仕組みは絶対不可侵と発信したも同然だと感じます。

他に給食の栄養素や塩分をしっかりと測ってやっているから、それ以外のものが入るのが問題だ、という内容もありましたが、3食のうち2食は自宅で食べるわけですから、そちらの影響の方がよほど大きいでしょう。
給食でのふりかけを禁止した反動で子どもたちが自宅でふりかけをバンバン使うようになったらトータルでは同じです。

細かな問題点はあるけれども、中学生が残飯という問題に気付き、主体的に対策を考え、市長との懇談という絶妙な方法で実現したということをもっと尊重すべきだと考えます。