給食は社会のインフラ

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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ウチの末子は保育園の年長組です。
保育園では毎日、給食が出るのですが、月に一回は「お弁当の日」があります。
毎日お弁当を作ってお子さんに持たせているご家庭はスゴイなぁ、といつも思いますが、月に一度だけ弁当を作らなければならない、というのもこれはこれで大変です。
大人の弁当であれば前日の残り物を適当に詰めて終わりですが、小さな子どもたちはどんなものが入っているかと楽しみにしています。

もちろん冷凍食品も使いますし、冷凍食品に子どもたちが大好きなメニューもあります。
しかし、一袋の中に4つから6つくらい入っている総菜が、月に一回ずつではなかなか消費できません。

保育園の園の活動のアンケートに毎年「園行事で弁当を持たせる日だけでよいのではないか」と書きますが、まともな返事が返ってきたことはありません。
園のお便りに親の愛情を伝えるため、という記述もありましたが、毎日朝食と夕食も作っているので、お弁当を作ったからといって特別な愛情が伝わるわけではないでしょう。

そんなお弁当の日も保育園卒業に合わせて終了です。
小学生になれば、始業式や終業式など半日で終わって給食が無い日にお弁当を作る必要はありますが、毎月一回ということもありません。

給食は栄養バランスも考えられていますし、子どもたちが好きなメニューが出ると帰りにそのことを話してくれます。
一方で、物価高の影響を受け食材費も高騰する中、給食費は以前と変わらずメニューに苦慮している様子がテレビで報じられていました。

何とか予算内に収めるために、鶏もも肉が鶏むね肉に変更され、油で揚げずにオーブンで焼くなどの工夫がなされていました。
一番影響を受けているのはデザートのようで、以前に比べて回数が減っているようでした。

ある自治体では農林水産省系の補助金を活用して遊休農地を使って地元食材を給食に活用することで、メニューの充実を図っていました。
ただこれも農業がある程度行われており、規模が小さな自治体ならではの取り組みです。
遊休農地で作れる量は限られていますから、子どもの人数が多い地域では安定供給ができません。

また給食調理を担う業者が突然倒産した例も報告されていました。
今回は給食がテーマだったのでそちらからの切り口でしたが、確かその時のニュースではこちらの会社が官公庁などの食堂も手掛けていたので、その混乱も報じられていました。
倒産した業者は、大規模に展開することで食材費の差額を利益としていたそうですが、新型コロナ以降は食材も高騰し、それに加えて人件費や電気代など光熱水費も高騰したことから赤字が膨らんだようです。

給食は、レストランなどで外食するのと違って毎日の食事の提供ですから、どんどん値上がりするのがやむを得ないとは思えません。
しかし、子供たちの成長に必要な栄養バランスなどを考えながらも、子どもたちが好きな味を提供する「インフラ」の一つとなっています。
インフラとは私たちの生活を支える基盤です。
基盤であるならばもう少し私たちはそこに投資を考えなければならないのではないでしょうか。