滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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2月8日のコラムで、もし能登半島地震の際に石川県の志賀原発で事故が起きていたらどうなっていただろうか、と書きました。
新聞記者の目で同様に検証された記事が掲載されていました。
記事の中の地図を見ると分かるのですが、志賀原発の近くは能登半島の中でもちょうどくびれていて東西の幅が狭い地域になっています。
すぐに退避しなければいけない5キロ圏内で近隣の陸地の半分くらいが重なってしまいます。
屋内退避の30キロ圏内では、志賀町、七尾市、羽昨市などのすべての地域が入り、輪島市、穴水町だけでなく、富山県氷見市も入っています。
記事の中でも屋内退避しようにも地震で建物が利用できないところが多いことが報じられています。
原発が大きな被害を受け広域避難が必要となっても、寸断された道路を何とか移動しながら、30キロ圏内を突っ切っていくしかありません。
海からの避難も海岸が隆起してしまって船がこれまでの港に近寄ることができません。
ヘリコプターで何万人も輸送することは現実的ではないですし、能登空港は滑走路に何本も亀裂が入っていて大型の輸送機が使えません。
今回は能登半島という特殊な地域だ、という声もあるかもしれませんが、原発は僻地に建てられることが多いため、近い状況は往々にして起きるでしょう。
これからボランティア活動が活発になり、奥能登に多くの人が入ることになります。
そんな時に余震で原発に被害が出ないとも限りません。
また、避難の計画を立てたり、避難所の運営をする自治体の機能自体が大幅に損なわれています。
これまでの震災の多くは自治体の一部で大きな被害があり、そこに対しての対応という形がとられていました。
しかし自治体全体が被害を受けて、市役所や町役場も機能が大幅に減退するようなことはなかなか無かったのではないでしょうか。
機能が失われている自治体が原発のことも考えながら災害対応をすることは難しいでしょう。
こう考えると、やはり国レベルで災害専門の部署を作り、発災と同時に対応できるようにすべきだと思います。
自治体の規模の大小にかかわらず対応ができるようになります。
原発など国レベルの問題や、自治体間を超える問題も横断的に対応できます。
東日本大震災から時間もたち色々と忘れ去られてきているのではないでしょうか。
あの時に学んだことをもう一度思い返さなければならない、と感じます。