滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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先日の滋賀県の行政相談委員の総会で、ざっと見渡して40代は私一人と見ていましたが、総務省の担当の方に聞くとやはり当たっていて、50代もお一人しかいないそうです。
今までは、60歳定年で退職されたばかりの人などに声をかけてスカウトしていたようですが、公務員の定年が65歳まで徐々に延長になっていき、他の民間企業にも波及してそれも難しくなるでしょう。
現在でも60代前半は再任用などでお勤めの方が多いようで、声をかけてもなかなかO.K.がもらえないようです。
お寺の役員もどんどん高齢化しています。
一番の影響は長寿化です。
1960〜70年代の特に高度経済成長期の平均寿命は70歳を切っていました。
そのため、現当主が60代で亡くなると、次は30歳前後で当主になりました。
それからお寺に関わるようになり、20年程度すると役員が回ってきますが、その頃が50代で壮健な時期です。
体力も資力も十分で、経験も長く積んだ人が役員をされるので、お寺が活動的に回っていました。
今は当主が80歳以上で亡くなり、次の当主となる頃には60代です。
60代になるまでほとんどお寺に来ることもないため、経験による知識も少なく、また体力も衰えてきています。
資力についても、年金生活になっており、今後の老後生活が昔に比べ長くなるため、高額の出費を避けます。
結果として、お寺の活動が衰退傾向になります。
では、年代が若い人を何らかの形でお寺に関わってもらおうとしても、多くの人が都市部に出てしまい、都市部で居を構えてしまっています。
また、地元に残っている人も昔に比べて時間的余裕が少なくなっています。
お寺も含め社会の現在の仕組みが、高度経済成長期あたりの社会構造を前提として作られています。
平均寿命もそうですし、自営業者の割合が減りサラリーマンばかりになりました。今は共働きの割合が増えています。
共働きが増えているということは、サラリーマンと専業主婦、子どもは二人という家族形態が少なくなりました。
結婚されない方も増えています。
長い時間で変わってきた社会の様子なので、それに対応した方法がすぐさま出てくるわけではありません。
ただ「昔からこの仕組みだったから仕方がない」で済ませていては、今後ますます苦しくなってきます。
これまでからの仕組みはそれはそれで社会に貢献できている要素が沢山あります。
それを継続していくために、変えていかなければならないものがあります。
「変わらないために、変わる必要がある」のです。