滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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中央競馬の騎手の藤岡康太さんが落馬のケガで亡くなられました。
落馬後に意識不明の状態が続き、入院されていましたが結局亡くなられたというものです。
私は北海道大学にいたので、大学のすぐ真裏が札幌競馬場ということもあり、中央競馬も地方競馬もよく見に行っていました。
体重450キロを超えるサラブレッドが時速60~70キロで走ってくると、遠くからでも大きな地響きが聞こえてきて迫力があります。
そんなスピードが出ていながら他の馬と接触しそうな距離で、しかも馬上という不安定なところに騎手はいます。
もちろんヘルメットやプロテクターなどは着けていますが、落馬すると高速の状態から投げ出され、地面に叩きつけられますし、他の馬に蹴られたり踏まれる危険もあります。
一流騎手であれば避けられるとか慣れているわけではなく、有名騎手の多くが落馬から大怪我を負い長い療養生活を経て復帰しています。
武豊騎手のライバルになると言われていた岡潤一郎騎手は落馬でなくなりましたし、福永洋一騎手は全身の障害を負っています。
今回もまた藤岡康太騎手が亡くなられたわけです。
競馬の世界では、馬自身の故障も多いことから「無事是名馬」という言葉があります。
「能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬は名馬である」という意味です。
騎手もまた「無事是名人」なのではないかと思います。
先に書いた福永洋一騎手の息子である福永祐一さんもまた騎手として活躍されましたが、引退式で
「全く競馬に興味のない私が急に騎手になるということで驚かせてしまい、つらい思いをさせ続けてきました。27年、こんな親不孝はないなと思って続けてきましたが、健康な状態で引退することができて、ようやく長きにわたった親不孝を終えることができてホッとしていますし、申し訳なく思っています」
と騎手として過ごしたことを親不孝と言っています。
死亡事故を受けて、例えばヘルメットやプロテクターを騎手の負担重量に入れないようにして、より強固なものにするなど対策を取ってほしいと思います。
しかし、どれだけ対策を取っても怪我も死亡もリスクがある仕事です。
人馬ともにファンの一人として今後の無事を祈るばかりです。