滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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お盆の時期に駆け込みの法要が来ることがよくあります。
御門徒の方にとっても予定していなかったけれども、親戚などの関係者が思った以上に集まることが分かり、それなら年忌法要や納骨をしてしまおう、と急に言ってこられるケースです。
あちこちの地域から沢山の人が集まって質問をいただくと、法要等の習慣について様々なスタイルがあることを感じます。
例えばお盆と一言で言っても行われる時期が異なります。
東京のあたりでは7月に行われますし、それ以外の地域では8月です。
また8月と言っても、13日から16日の間でどの日に、どんなお参りをするのかは地域によって、お寺によっても異なります。
よく私に「お盆の時期はお忙しいでしょう」と言われる方がいらっしゃいますが、いわゆる棚経を行わず、本堂に御門徒の方が集まって盂蘭盆会の法要として行うため、他の宗派の方と比べるとそれほどではありません。
その盂蘭盆会の法要にしても、私の実家のお寺では8月14日に行いますし、ウチの寺では15日です。
なぜその日かというのは昔からの慣習として言いようがありません。
納骨の場合、ウチの寺では遺骨を骨壺から出してお墓の中に入れるようにお話ししています。
骨が土に還っていくようにするためです。
布や布地の袋に入れてから納骨される方もいますが、土に還るようにという点では同じです。
そのため、お墓を別の所に移したい、といわれた場合、お骨を移動させることは出来ません。
土に還ってしまっているか、残っていてても誰のお骨か分からないためです。
どうすれば良いか、と聞かれた時は、そこの土を少し持っていって、お骨を移したことと同じとして取り扱ってはどうか、とお話ししています。
骨壺のまま入れるのか、遺骨だけで入れるのか、どちらが正しいということはなく慣習の問題だと思います。
ただ現在のような石材で区画されたお墓でなく、地域の共同墓地で埋葬していた時は火葬した骨をそのまま入れていた様子をよく見ています。
先日は納骨の際にお箸を準備した方が良いか、といわれて全く予想していない質問だったため、色々と調べながらお話ししました。
おそらく火葬後のお骨あげの際にお箸を使って収骨していくことからの質問だったと思います。
火葬直後は骨もまだ高温の所もあるでしょうから、手で直接触れなかったり、日本の穢れ思想から死者に関するものを直接触ることを避けているのでは、といったことが書かれていました。
また、箸を使うのは三途の川を渡ってもらうために「橋渡し(箸渡し)」をするのだ、と書かれているものもありました。
合理的な理由があるものもあるでしょうが、箸渡しあたりはややこじつけかな、と感じるところです。
骨壺のまま納骨するところも多いからでしょうが、納骨の際にお箸を使う、と書かれたものは見つけられませんでした。
私自身も日頃から特にお箸など用いることなく行っています。
いずれの監修についても、来られる方が気にされるのは、マナー違反ではないか、何か間違った手順を踏んで悪いことが起きたりしないか、といったところです。
亡き人は、何かが間違っているといって遺された人を罰したいとか祟りたいとは思わないのではないでしょうか。
法要にしても納骨にしてもお盆の法要にしても、自分なりに一生懸命弔いたいという気持ちの中で、出来るようにしていただければ、と思います。