公務員は疲れ果てている

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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市役所にお子さんがお勤めの方と法要でお出会いするとお悩みを話されました。
年々忙しくなっていく職場で、年次が若い子もメンタルダウンしており、その業務を既にいっぱいいっぱいになっている周りの人でカバーしようとしているけれども限界になってきている、といいます。
人員が不足した分を一時的な臨時の雇用で対応しようとしますが、なかなか募集をかけても人が集まらず、一期だけで辞めてしまうために採用に苦労しているといいます。
お話しされた方のお子さんも50近いはずですが「もう辞めたい」と漏らされたそうで、親御さんとしてショックを受けておられました。

我がまちの役所だけでなく、どこの役所でも業務は増えて人は減る状況が続いており似たような状況かと思います。
先日のマイナンバーカードのトラブルで国は総点検する、と言っていますが、その実務はどこが担うのでしょうか。
岸田首相は国会閉会の記者会見で、国がデジタルによって地方を支える、と言っていますし、総務大臣は総務省で自治体支援の会合を開いています。
しかし、支えるという名の下に指示とマニュアルだけが下りてきても、現場は既に人員削減と業務過多で疲弊している市区町村職員ばかりなのです。

各保険者が発行している紙やプラスチックの保険証を廃止してマイナンバーカードに統一するという方針が出され、議論百出ですが撤回の声は聞かれません。
これも実際に実施されると、マイナンバーカードを持たない方への資格者証の発行で、市区町村の窓口と職員はパンクする、と言われています。

各自治体の職員、いわゆる地方公務員は真面目で優秀な方がほとんどです。
世間では公務員は真面目だが企業に出れば役に立たない、という言い方をよくされますが、実際はそんなことはないと感じます。
法令規則に則った仕事をする機会が多いので、これまでにないアイデアを出していくとか、キャッチーなものを作る仕事に携わることが少ないため、そういうことを得意とする職員は少ないかと思います。
何より、わずかな語句の間違いでも、世間から非難を浴びせられる状況ばかりを見れば、何かにチャレンジしようという気持ちも無くなりますし、部署としても新たな挑戦に二の足を踏むでしょう。

私が聞いた中で、企業の方が公務員を評価されている点は、コンプライアンス意識が高めであることと、〆切の意識が強いことでした。
特に〆切については、民間の方が「やってみたけど間に合いませんでした」と言われることが多いとのこと。

飛び抜けたスーパーマンはいないのかもしれませんが、欠けてしまっては社会が回らなくなる仕組みの部品に自分を徹することができる人が多い公務員。
市民やマスコミが叩けば叩くほど、萎縮して、現状維持になり、優秀な人は疲れ果てていきます。
公務員に何を求めていて、その求めるものを得るためには、こちらはどうすべきなのか、少し考えてみても良いのではないでしょうか。