滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらから。
エンディングノートの書き方の講師養成のセミナーに参加してきました。
以前から自分で開催する終活セミナーでエンディングノートについてのお話をしてきましたし、参加者へのオススメもしてきました。
私経由でエンディングノートを買われる方もいらっしゃいましたが、手にしても実際に手を動かすかどうかは何とも言えないなぁ、と感じていました。
そこで、月一回ぐらい、どこかに集合してはエンディングノートを書いて、半年くらい経つと概ね出来上がる、という形で一緒に取り組む形が出来ないかと考えており、今回のセミナー参加となったわけです。
エンディングノート自体は、インターネット上に様式が沢山落ちていますし、書店に行っても数多く売っています。
100均で見つけられるものもありました。
また、終活事業に取り組む自治体も増えたことから、自治体作成のもの増えてきました。
昨日のコラムにも書いたとおり、私の住む高島市でも、市と医師会が連携して「たかしまマイウェイノート」というエンディングノートを作成・配布しています。
どのエンディングノートも、自分の氏名や資産・医療・介護・葬儀に関する「情報」を書き込むページは大体あります。
いくつかのエンディングノートはこれまでの自分を振り返る内容を書き込むところもありましたが、現在から死ぬまでの未来については延命治療や成年後見の希望など
自分に関係がある人を家系図として書くページがあるものもありますが、ほぼ全面白紙で自分で関係の線を書いていかなければならないものもあり、高齢の方には難しいだろうな、と感じました。
上記の内容は、後に遺された人々が便利なように、とか、迷惑がかからないように、といった視点から書くものである気がします。
ただそれは、自分の死後の状況を想像しては書くことになるので、書いている方も気が滅入ってしまうのではないか、と思います。
今回は、「終活・相続の便利帖」というエンディングノートの著者でもある一橋香織先生のセミナーに参加してきました。
先生の「終活・相続の便利帖」が他と違う点は、資産や医療、介護の情報を書き込むだけでなく、これまでの思い出や大切にしている場所を書き込むページがあり、自分の心の中の気づかない面を書けることです。
私はエンディングノートで大事にしたいと思う点が3点あります。
一つ目は、私しか知り得ない、私が伝えなければ消えてしまうことを文字として遺すことです。
どのエンディングノートでも自分の名前を書く欄はありますが、自分の名前がどんな親の想いや由来から付けられたのか、ということは自分しか知らないのではないでしょうか。
また、学校時代や働いていた時期の思い出などは、名前の由来よりもさらに自分しか知り得ないことですし、自分が思っている以上に遺される家族にとっては知りたい内容です。
二つ目は、現在から死ぬまでの期間について改めて見直して、自分がやりたいことややらねばならないことを確認することです。
エンディングノートも含め、終活は「死ぬ準備」と受け取られがちです。
そのため前述のとおり、死後のイメージばかりを想像させるページを記入すると気が滅入ります。
まぁ人間は致死率100%ですから、いつかはみんな死ぬのですが、その死ぬまでにしたいこと、やらねばならないことを整理して、今からの人生の目標をハッキリさせれば、むしろ活き活きと今後を生きる効果があると思います。
三つ目は、自分や自分の思いや考えを客観的に見る効果があるということです。
仕事として遺言書作成のお仕事をいただくことがあります。
そのお話を伺いに行く時も必ずエンディングノートをお渡しし、書けるページから書いてください、とお話しします。
ご自身の頭の中で考えている内容も、文字としてアウトプットして目で見ると、印象が変わる方が多くいらっしゃいます。
遺言と違って法的な効力はありませんが、エンディングノートは財産以外の多岐にわたる内容を書くことが出来ます。
沢山書くことがあると、途中で想いが変わることもありますが、エンディングノートならばすぐに書き直すことも出来ます。
今後の自分の人生を充実させるために、エンディングノートの書きたいページから書いてみましょう。