自分にとって当たり前を丁寧に伝える

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
詳しくはこちらから。

高島市働く女性の家と共同で実施している「和尚が語るイマドキの終活セミナー」の第2回を開催しました。
今回は「おひとりさま・おふたりさまが今から準備したいこと」と題して、高齢単独世帯、またその予備軍となる世帯についてお話しました。

いくつかの話題をお伝えしましたが、
平均寿命と健康寿命の違いを理解して早めにアクションを起こすこと、
経済的な問題として身元保証の問題があること、
健康面の問題、特に判断能力の衰えへの対応として後見まで段階的に移行していく方法があること、
意識がない状態で延命治療の希望を伝えるための尊厳死宣言、
身寄りが無い人のご遺体を引き取って葬儀埋葬などを行う死後事務委任契約、
相続の問題として誰が法定相続人なのかをまず理解すること、
などをお話ししました。

先日の社会福祉協議会のセミナーでもお伝えしたのと同じく、相続対策の第一歩としてご自身や配偶者、存命であればご両親の出生から現在までの戸籍を揃えることをオススメしました。

すると質問の時間で、これに関連して二つご質問が出ました。

父母の戸籍を窓口に請求したらすぐに出してもらえるのか?というもの。
直系と傍系の説明を簡単にして、直系であればスムーズに出してもらえるけれども、出生まで遡ると戸籍が何種類にもなるのでそのことで時間がかかることをお伝えしました。

また、別の方は親が転勤族であったため、住所を何度も変更しているが戸籍を揃えるのが大変なのか、とご質問いただきました。
現住所が度々変わったとしても、本籍地が同じであれば大丈夫であることをお伝えしました。

来年春からは、会場である働く女性の家と共同で「遺言書セミナー」を計画しているので、この中で戸籍を集めてもらうことなどをしてもらおうかと考えています。

また、終了後に個別相談いただいた方は、離婚して子ども二人を一人ずつ引き取っているが、私が無くなった場合、相続人はどうなるのか。
元配偶者が再婚して連れ子がいるが、私の相続に何か影響するのか、といったことをご相談いただきました。

セミナーの中でも相続人の順位のお話など原則はお話ししましたが、個別具体になるとやはり、相続関係図を書きながらゆっくりと説明しないと理解いただくのは難しいな、と感じました。

相続のお仕事をいくつもさせていただくと、戸籍の収集や読み取りが段々「当たり前」になっていると感じます。
もちろん業務のためには素早さが生まれて良いことなのですが、いざセミナーとなると自分にとって当たり前になってしまっている分、一般の方にお伝えする時に少し丁寧さが足りなくなってきている気がします。
今後のセミナーで、このあたりを修正しながら参加者にとってより有益な内容となるようにしていきたいと思います。