結婚や子育ては罰ゲームなのか

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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子どもたちを預けている学童の来年度の入所希望者に対する説明会があったので出席しました。
ウチの3番目の子どもが来年、小学校に上がるためです。

冒頭の理事長の挨拶で、驚くべき事実を知りました。
現状でも定員を超えて児童を受け入れているにもかかわらず、来年度の入所希望者数は既に定員を大幅に超えているというのです。

また、夏休み中に全国の学童施設で事故が起きたことから定員内の受け入れとなるように行政から言われている状況とのことでした。
学童側も市役所と協議を重ねているそうですが、すぐには解決策が見つからないようです。

この説明会で出た質問で、他の保護者の悩みや苦労も聞くことができました。
学童に預けられることが決まってから初めて求職活動ができるという方や、学童が決まらないと会社の人事と働き方が相談できないという方もいました。
私自身も、学童がなければ自営業とはいえ仕事をする時間が大きく制限されると思います。

一方で、先日、埼玉県議会で虐待の禁止条例の改正案が出て全国的な話題となっていました。
小学3年生以下の児童を残して外出すれば虐待として通報される内容となっています。
この条例案は、子どもを置いて外出するのが買い物やパチンコなら一考の余地がありますが、社会の状況としてそうせざるを得ない家庭が多くあることに目を向けられていないものであったと思います。

今は物価高に対して賃金上昇がまだ追いついていない状況なので、多くの家庭では少しでも稼ぎを増やそうとパートなどに出ます。
テレビのニュースでは、埼玉県の学童の待機児童数は全国でトップ3に入ることが報道されていました。
もし条例が可決されていれば、子どもを学童に預けることもできず、家に子どもだけで居させておくこともできないため、パートに出ることができなくなります。
これがひとり親家庭ならなおさらで、パートどころか残業してでも稼いでこないと、日々の生活費も厳しい状況となります。

私が独身や結婚直後の頃に「結婚は素晴らしい」とか「子育てはいいよ」と言ってくれる方は誰もいませんでした。
皆、結婚や子育てのデメリットを盛んに喧伝し、「結婚は人生の墓場」「子どもができると自分のお小遣いが無くなった」などと話されていました。
実際に結婚、子育てを体験してみると、特に子育てについては経済的な負担の大きさや物理的なサポートが少ないと感じます。
それらは全て親の自己責任で何とかするものとされ、子どもの用事や事情で仕事に影響が出ると、周りからは祖父母などに頼って仕事を優先できないのか、と言われました。

国全体としては人口減少と高齢化がすさまじい勢いで進んでいるため、結婚しろ、子どもを産め、と言っているような仕掛けが盛んに見られます。
一方で、実際に結婚や子育てを始めると、そこに対するサポートはほとんどありません。
国や社会の誘導に乗って行った先で罰ゲームを受けているような感じです。

多くの業種・会社で社員不足が叫ばれていますが、その会社はどこまで社員のことを大事にしてくれているのでしょうか。
働きやすい、結婚しやすい、子どもを産みやすい、育てやすい会社であるならば、みんなが働こうと思うのではないでしょうか。
自分のこと、夫婦のこと、子どものこと、家族のことは一旦脇に置いておいて、会社のために時間も体力も使ってほしい、と思う会社にどれだけの人が行くでしょうか。
結婚や子育てについて理解をしてサポートをしていくということは回り回って働くということにもメリットがあることだと思います。

国や社会は、結婚や子育てをする人たちに対して矛盾した態度を取っていると感じます。
結婚や子育てをすることは個人の幸せだけでなく、国や社会の未来にも関わる重要なことです。
そのためには、国や社会が結婚や子育てをする人たちに対してもっとサポートをしていく必要があると思います。
それができなければ、結婚しろ、子どもを産め、と言っても誰も聞く耳を持たなくなるのではないでしょうか。