大学生のお子さんやお孫さんにカルト教団の勧誘が

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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私が自分の肩書きを名乗る時、お寺の住職です、というと信頼や安心した表情が返ってきますが、宗教家です、というと胡散臭い目で見られます。
宗教は理解しきれないもの、捉えきれないもの、といった感じで、疑うわけではないが信じ切ることは出来ない、といった反応を多く感じます。

また、オウム真理教や統一教会の問題など、宗教に関して大きな話題が出てくると、さらに疑わしい目で見られます。
あれは新興宗教だから、という方もいますが、伝統宗教とか伝統教団といっても最初は新興宗教ですし、時代に合わせて変化していることを考えれば、常に新しくなっているとも言えるので、古くから有る宗派だから安心ということも無いでしょう。

滋賀県東近江市の真宗大谷派の玄照寺のご住職、瓜生崇さんはカルトの問題にずっと取り組まれています。
当寺にも何度か法話に来ていただき、お話をいただきましたが、初めてお話を聞いたのは地域の僧侶の研修会で、まさにカルト問題についてでした。

瓜生さん自身が大学生の時に第一志望に受からなかった鬱屈した想いにつけ込まれ、カルト教団に入ってしまいます。
また入るだけでなく、その活動を広げる一員として活動にのめり込み、大学を中退してしまいます。

後にその教団が嘘をついている部分に触れ、自分がマインドコントロールされていることに気づき、教団を抜け、縁があって今は真宗大谷派の住職をされ、カルト教団からの脱会支援などもされています。

瓜生さんと同様に大学生がカルト教団に引き込まれる事件も多いことから、大学側も対策を色々と講じているようですが、「信教の自由」に対して苦心しているとあります。
記事で紹介されていた大阪大学のカルト対策のYouTubeはよく出来ているな、と思いますが、この出演者よりももっと普通のどこにでもいる大学生として近づいてくるのでしょう。

瓜生さんに教えていただいたカルト教団の大学での勧誘は怪しさもなく、爽やかな大学生のイベントサークルの雰囲気でした。
その活動の中で会う機会が増えることで勧誘者への信頼が増し、自分の悩みを打ち明けた時に、見事というほどに心をつかんでいく様子を聞きました。
大学等の注意喚起を見て、自分もひょっとしたら、という想いが芽生えても、勧誘者との信頼関係が出来上がってきており、あの人だけは違うのではないか、と思ってしまうそうです。

新型コロナで停滞していた大学生の活動も今年から以前のように戻っていると聞きます。
高校時代にコロナのために色々と出来なかったことを大学入学を機に一気に活動しようとする大学一年生も多いことでしょう。

大学の前期が終わり、前期の単位の結果が返ってきて、夏休みも終わる9月頃、少し元気のない若者に勧誘の声がかかるのではないかと危惧します。