銀行口座の解約に何時間もかかる

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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お客様の遺産整理業務を受任して、銀行の解約手続にあちこち回りました。
新型コロナ以降、時間がかかる手続の場合は事前に予約をしないと対応してもらえないところが増えてきました。
幸い私の住んでいるところは田舎町なので、予約日は電話した近日中に取れるのが助かります。

多くの銀行で求められる書類は同じですが、以前に別の方で手続をした銀行だと、さらにその時の書類を見ながら必要な書類を準備しておけます。
相続手続の場合であれば、「被相続人の戸籍謄本」「相続人全員の戸籍謄本」「相続人全員の印鑑証明書」「(あれば)遺言」「遺産分割協議書」あたりが共通して求められます。
私は相続人の皆さんから業務を委任してもらうので「委任契約書」と「私の印鑑証明書」を別途提出しています。

銀行によって、何の書類が必要か、どのような書き方が必要かが異なりますし、しかもその内容もどんどん変更になっています。
以前の様式で持っていってしまい、新しい様式に書き換えたり、以前は通用した書き方が今はダメ、と言われることもあります。

また銀行の支店での書類チェックの程度も差があり、ある銀行では支店で遺産分割協議書や委任契約書を徹底的にチェックされるため、手続に何時間もかかることがあります。
一方で、全て本店の相続担当部署に送るので、ということで簡単にチェックして、サッと終わるような所もありますが、といっても30分から1時間はかかります。

来店の予約の電話をすると、書類を郵送で送るので来店不要である、と言われたところもありました。
ただこういう所はいざ書き始めてみると、記載方法や書類の確認が電話対応になるので、余計に手間がかかる気がします。

今日は午前中に二つ銀行を回り終えると正午を回っていました。
午後からは別の用件があったので、他の金融機関は後日です。

ご遺族が相続人として手続をされる場合、高齢の方だと銀行での長時間の手続は体力的にしんどいことが容易にうかがえます。
また、日頃の生活では目にしない書類であったり、住所氏名をいくつもの書類に何度も書いてハンコを押すことも、慣れないことで負担が大きいと思います。
現役世代の方であれば体力的な問題はないでしょうが、慣れている士業でも半日で二つしか銀行を回れないとなると、会社の休みを頻繁に取れない中でいくつもの金融機関を手続をすることが負担になるでしょう。

相続人に代わり、私たちが相続のための遺産整理業務を受任すると報酬が発生します。
報酬額を説明すると、戸籍を揃えたり、銀行等に手続に行くことにそんなにお金を取るのか、と言われることもありますが、実際にやっていただくと、想像されている以上に時間と手間と労力がかかることがご理解いただけると思います。
また、日頃お付き合いのない、亡くなった配偶者の兄弟であったり、前妻の子どもと遺産分割についてのやり取りをしなければいけないケースもあります。

相続人の方の時間や労力や、没交渉の人とやり取りする心労を専門家に任せる分が報酬という金銭になっているとご理解いただきたいな、と思っています。