労働、結婚、子育てはコスパ最悪

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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昨日は、行政相談委員として相談を受けた案件を市役所の関係各課への連絡に回っていました。
元は自分の職場だったので、課の位置関係も分かりますし、行けばたいてい知り合いがいます。
用件を話し終えるとその次は「市役所を辞めてからはどう?」と聞かれます。
最近は「やっと忙しくなってきました」と返しています。

先日の投稿にも書きましたが、独立開業してから家族に対して優先する時間を除いて土日祝日も夜間も仕事をするようになりました。
仕事と家族に投じている時間は市役所時代よりはるかに増えて、代わりに娯楽に使う時間が大きく減りました。

テレビに繋いだハードディスクドライブには、毎週予約してあるテレビ番組が次々と溜まっていきますが、テレビを付けない日の方が多いので全く減りません、というか増えます。
大学生の頃から雀荘に入り浸っていて、市役所職員の頃も月一回以上行っていましたが、カレンダーを見ると最近はどうやら三ヵ月くらい行っていないようです。

でも、精神衛生は市役所時代よりずっと健康的で、充実した毎日を送っています。

用件が終わって帰ろうとする頃に、ある独身の若手職員と立ち話をしました。
彼曰く、仕事は忙しいけれども、何とか時間を作って趣味への時間も作れている。
今、彼女がいて、向こうの方が結婚を大分意識している。
いつかは結婚もしようと思っているけれども、自分の時間や趣味に割くお金などが減ると考えるとなかなか踏み切れない。
ましてや子育てする段階になると、なお一層時間もお金も自分のためには使えないだろう。
吉武がブログでしばしば「可愛い可愛い嫁」と書いているけど、結婚や子育てについて本当のところはどう思っているか、と聞かれました。

ちょうどTwitterでそれに関連してプロ奢ラレヤーさんの奢られ日記で面白い話を見たので、それを読んでからまた話そう、と言って、以下のツイートを伝えてきました。

私は親の勧めもあって、大学進学への勉強がしやすい環境のために、中学を卒業すると京都で賄い付きの下宿で一人暮らしをはじめました。
それ以後、高校3年間、浪人1年間、北大4年間、大谷大2年間、就職後5年間経って、30歳になった時にそれまでの人生の半分が一人暮らしになったことに気付きました。

20代後半、自分のルックスや収入状況などに特別魅力的な要素があると思えませんでしたし、現に彼女も特にできなかったので、何とか結婚したいなぁ、と思いながらズルズルと過ごしての30歳でした。

とはいうものの仕事は充実していて、午前様になる日もありましたが、やりがいを感じていました。
忙しい中、煮詰まってくると、時には定時で上がって京都行きの電車に飛び乗り、終電まで行きつけのお店で飲んで帰ってきて翌日からまた頑張る、というタフだけれども楽しい日々を送っていました。

15年間の一人暮らしで、一人ならではの自由や楽しさを目一杯感じましたが、それらが制限を受けても、夫婦や家族でないとできないことや分からないことがしたい、と強烈に思っていたところで、昔仕事で出会ったある女子大生が大学卒業後の進路相談をしてきて、いつしか付き合って私の可愛い可愛い嫁になりました。

妻とは毎日、子ども達のことや日々の出来事やネットの記事や読んだ本で面白かったものなど何でも話します。
子ども達も大きくなってきたので、それぞれの社会ができてきて、その事を話してくれると新鮮なものを感じます。
一人では絶対に得られなかったものを毎日得ていると感じています。

ただ大人数で暮らす環境は非効率の塊です。
家事も一通りできる自分だけの生活なら、もっと仕事に時間や労力や集中力を投じることができるだろう、と感じます。
それができないことに苛立ちや焦りがないわけではありません。

でも、プロ奢ラレヤーさんの以下のツイートを見ると、その通りだよな、と思うのです。

あのさあ、みんな逆にかんがえなよ。
ひとはなぜ、こんなにしんどくて、面倒で、コスパ最悪なのに、ここまで「労働」「結婚」「子育て」を続けてきたのか・・・。
それは、「退屈」「孤独」がそれよりもしんどくて、面倒で、コスパ最悪だからだよ。こちら側は、選ばれし者しか適応できない世界なの。
「娯楽があるからいいもん」と言って孤独をえらんだひとは、30代40代になって、急に焦って結婚したがってる。ほとんどの娯楽は仲間ありきだから。仲間が結婚して子ども持って消えたら、そんな娯楽もうやってられないもん。娯楽そのものなんて飽きるに決まってるんよ。才能だから。ハマれるのって。

Twitter プロ奢ラレヤー(@taichinakaj)

若手職員が感じているとおり、結婚してさらに子どもができれば、自分の時間もお金も違うことに費やされ、しかも非効率ばかりを感じることになります。
ただきっと30歳の時の私は仕事や馴染みの店で飲み歩く時間の中で充実しているように思いながら、ハッキリとは分からなかったけど「孤独」を感じていたのでしょう。
そして感覚的にヤバい、と感じていた中で、幸せにも結婚が出来たのだ、と思います。

独身ならプロ奢ラレヤーさんの言う才能が必要になるでしょうし、夫婦や家族ならコスパの悪い大きな犠牲を払うことになります。
どちらかしか得られないトレードオフの関係ですが、私は一人では手に入れられない何かを得たいと思って夫婦と家族を選択しました。

相談してくれた若手職員はどう判断するのでしょうか。
また、これを読んでくださっているあなたはどう考えますか?