相手の中に答えはある

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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昨日(4月27日)の毎日新聞の「記者の目」というコーナーで、4月に記者になったばかりの小澤優奈さんの記事が掲載されていました。

年齢は阪神大震災(1995年)の5年後に生まれた22歳とのこと。

就職前の1月、阪神大震災の追悼集会に行った時に、自分自身は被災したわけでもない、遺族でもない、そんな自分がなぜここにいるかの理由が見いだせず無力感や不安に襲われる気持ちが赤裸々に書かれています。
小澤さん同様、これから記者になる人達は当然に震災など災害を経験していない世代になるわけで、取材するテーマに自分自身の経験や感性が及ばない場合、どのように取材を進めていけば良いかの不安や葛藤があるわけです。

小澤さんの答えとしては、「被災者など経験者の話に耳を傾ける事」「自分でストーリーを作って相手に押しつけない事」を挙げています。
特にストーリーを押しつけない、という点では、大学時代に出会ったナイトワーカーや障害を持つ知人友人などマイノリティーを最初「救ってあげるべき存在」と考えていた事が誤りであったと気付いた事が体験として語られています。

この小澤記者の姿勢は、相続に携わる私にも当てはまるところが多いです。
私は今年で45歳なので、高齢期の方の実際の身体の具合やそれに伴う気持ちの変化などは想像するしかありません。
ましてや相続は一件一件が全て異なる事から、レアケースだけが集まっていると言っても過言ではありません。

つまり、これまでの自分自身の経験に無かったり、想像も付かないケースばかりがあるわけですが、ここで自分の知識や経験の枠内に無理矢理に納めようとすれば、お客様の説明に「そんな訳がない」という態度や表情を出してしまうでしょう。
自分の想像が及ばない事を素直に認め、お客様の話にしっかりと耳を傾ける事が重要になるわけで、それは相手への敬意を示す事になるでしょうし、その姿勢を見てお客様からの信頼や信用をいただけるのだと思います。

また、ストーリーを押しつけない、というところは非常にドキッとしました。
法律やこれまでの対応ケースをなまじっか知っているばかりに、「当然にこうすべき」という姿勢や発言が出がちです。
結果、お客様が希望する本当の心の奥底を聞き出さないままに、形ばかりの対応策を提示する事になってしまい、自己満足に終わる事になってしまいます。

私が学んだ「笑顔相続道」では、「答えはお客様の中にある」と教わりました。
法律論や相続税対策からすれば不合理な結果であっても、お客様がなぜその方法を選ばれるのかしっかりと耳を傾け、その方法をとる思いを受け止めなければならない、ということです。

新人の記者の方が言われたのは結局、基礎中の基礎という事なのだと思います。
しかし、時間が経てば経つほど基礎を疎かにしがちだからこそ、記事に書かれた言葉のとおり、改めて自ら戒めなければならない、と感じました。