技術か、運か

滋賀県高島市住職系行政書士吉武学です。
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将棋の名人戦の対局抽選の様子が新聞で紹介されていました。

「打倒藤井」へ運命の抽選 名人戦順位戦 組み合わせの裏側
毎日新聞 2023年6月8日

「師匠と弟子は対戦しない」などの条件があることから、現在はB・C級はコンピュータを用いているそうですが、名人との対戦を決めるA級については、昔からの方法で決めているとのことです。
その方法は何とトランプ。
20年以上前にアメリカ旅行の際にお土産に買ってきたものを用いていると言います。

対局順だけでなく、先手・後手もトランプで決めているため、偏りが出て棋士から意見が出たこともあるといいます。
棋士の一勝一敗はタイトルの成否や生涯年収などにも大きく関わってくるので神経質になるのも分かる気がします。

将棋や囲碁やチェスは今やコンピューターで次の一手が検索される時代になりました。
棋譜が後からコンピューター評価を受けて、なぜその一手を打ったのか、と言われる酷な時代です。
子どもが将棋が好きなので、私も駒を並べる程度には出来ますが、全く技術はありません。
代わりに麻雀をしばしば打ちます。

麻雀の基本は確率論で強くなれるので、初心者から急激に上手になる人は医学部の大学生などが多い気がします。
ただ確率論だけが全てなら、四人打ちの麻雀での一着率は限りなく2割5分に近づくはずです。
しかし、1000回以上打つと強い人の成績は2割7分からから2割8分になり、弱い人は2割5分を切ってきます。

強者の対局は、相手のほんの僅かな力の入り具合や少しの逡巡から心の動きを読もうとします。
そんな心を読み取られる様をものともせず、持って生まれた強運で引き上がっていく人もいます。
強運を見せつけられると、技術で何とかしようとした自分の気持ちがポッキリと折れて連敗してしまうこともあります。

麻雀は、将棋や囲碁のように実力だけでなく、ポーカーやブラックジャックのように運の要素が入っているので、何ともいえないドラマが生まれます。
数年前からはABEMAで「Mリーグ」という麻雀の年間対局も配信されるようになったので、かなりファンが広がった気がします。
まだまだ昔の阿佐田哲也の世界観が残っていて、ギャンブルとしての受け止めが大きい気がしますが、頭脳スポーツとして、もっと広まってもいいな、と思っています。