半日の手続が30分に

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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相続のご相談を受けていると、相談者の方は銀行の解約手続や不動産の登記のことなどを気にされます。
しかし、どんな人にも当てはまって、思っている以上に大変なのが、死後の役所の手続です。

死亡届を出しに行くときでも手続に一時間以上かかります。
役所側も後に通夜や葬儀が控えているため、それほど沢山のことは要求してきません。
死亡届の記入、報道機関へのおくやみの連絡の確認、火葬許可証・埋葬許可証の発行などです。
今後手続が必要となる一覧を渡されて、落ち着かれてから手続してください、と言われます。

葬儀の後片付けが終わった頃に行くと、戸籍、健康保険、介護保険、年金、税金など窓口で様々な書類を確認して記入します。
私の住む滋賀県高島市では、戸籍担当である市民課に行けば、手続が必要な課の職員を呼んでくれて、同じ窓口に座り続けて進めていくことができます。
それでも多くの時間がかかることには変わりありません。

手続に来るのが高齢者なら、慣れない場所での長時間のやり取りは非常に疲れるでしょう。
若い世代であれば、仕事を休んできているでしょうから、少しでも早く終わらせたいと思っているでしょう。

三重県津市で死亡の届出に伴い、必要となる26種類の申請・手続きをワンストップで受け付けるサービス「おくやみ手続きサポートデスク」が始まったという記事がありました。
専門の「おくやみコンシェルジュ」が常駐して、予約の電話の際に亡くなった人の必要な手続きや持ち物を案内し、来庁日には亡くなられた人の情報を印字した申請書などを準備するそうです。

・Yahoo!ニュース 「家族死亡の手続きが「半日→60分」に短縮…おくやみコンシェルジュ”を配置した三重・津市に仕組みを聞いた」 2023/09/30

あらかじめ情報が記入された申請書などは、高島市でも出しており、内容確認してもらって、サインだけで済むものも数多くあります。
しかし、津市で注目するのは手続にかかる時間です。
以前は半日ほどかかっていた手続が30分で済んでいるそうです。
津市と高島市は街の規模も違うので、簡単に比較はできませんが、30分は素晴らしいスピードだと思います。

死後事務委任として業務を受けていれば、専門家が代わりに手続を進めていくこともできますが、予約の枠が限られていても役所にこういうサービスがあるのはいいな、と思いました。