滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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ただいま台風が通過中です。
当寺の盂蘭盆会の法要は8月15日の9時からなので、台風直下のもとの法要となります。
台風が直撃するとのニュースが出た時からどうするか悩みましたが、台風が直撃して誰もお参りしなかったとしても、中止ではなく私と家族でお参りはすることは決めていました。
また台風のスピードがゆっくりなため、状況がコロコロと変わる中、年配の御門徒の方の何人かは事前にお参りしたいと言ってこられる様子を見て、お参りしてこられるかどうかは、各御門徒が天気を見ながら自主的に判断すれば良い、としました。
それでも何人かは電話で「言ってくれないと分からない」とかけてこられました。
ただこちらが「やります」と言っても、来ないような口ぶりでしたし、もしお参りの道中で何かあったら「お寺がやると言ったから」と言いたいようでした。
逆にこちらが「やる」とも「やらない」とも言わずに法要をした時に欠席して、お参りした人達から「なぜ来なかったのか」と言われたくないように感じました。
要は法要があるにせよ、無いにせよ、責任を全てお寺にとって欲しいという形です。
台風でなくても、体調が悪い人もいますし、自分ではなく家族の事情でお参りできない人もいます。
こちらとしては、私よりも年配で人生経験豊かな方々なので、各々の判断で決めていただければ、特にとやかくいうことでは無いと思っています。
こうした災害時に被害が出ると自治体の呼びかけがどうだったのか盛んに批判されます。
ただ今回の台風などは、一つ前の6号の様子も分かりますし、かなりゆっくりな台風なので事前の情報も多いです。
先日の九州地方の線状降水帯による豪雨被害を見ても、気象庁ですら直前でないと分からないのが気象ですから、自分で情報を見て判断するしかないでしょう。
交通機関が早々に運休を決めるのも早くなった気がします。
以前なら本当に危なくなるギリギリまで運行していましたが、駅間で停車するような事態になったり、不測の事故が起きたり、駅で大勢が滞留する度に批判されてきたので、それならもう動かさない、という方に舵を切った気がします。
Twitterを見ていると、全国の地方公務員の方々が災害による招集を受けて待機を始めていたり、避難所開設に向かわれたりしています。
公務員はカレンダー通りの勤務日ですから、直前の3連休に有給を加えてお盆休みにしていた方も多いようですが、招集がかかるからと休みを切り上げ、家族を連れて自宅に戻られていました。
実際に台風が来てみないと避難が必要な自治体がどれほどあるかは分かりませんが、交通機関と同じで早めに手広く手を打つようになった気がします。
自治体の自主避難所開設の呼びかけを見てみると、食料や防寒具などは自分で用意してください、とあります。
なるほど地震など突発的な災害での避難所開設なら自治体が準備するのが当然ですが、今回は自主避難所ですし、避難者自らが準備してもらうのも納得できます。
しかしこれも事前に言っておかないとクレームの元になるのだろうな、と感じました。
交通機関も自治体も、みんなの命を危険にさらさない最低限度のサポートはすべきだし、今までからもほぼ出来ていると思います。
ただ東日本大震災の津波から助かった方の理由のほとんどは自分で判断して高台に逃げたからです。
「周りの人がそうするから」「周りの人がそう言ったから」「役所がこのタイミングで指示したから」と人に自分の人生の行動を決めてもらっていては、他のことでも決めてもらわないと行動できません。
人生の振る舞いを自分で決める、というと大きな話と思い難しいかもしれませんが、まずは災害時の振る舞いを自分で決めるところからスタートではないでしょうか。