体験したからこそやろうと思える

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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3月と言えば卒業式や別れのシーズンです。
県内の高校の多くは昨日、卒業式だったようです。
小学校の卒業式や保育園の卒園式はもう少し先ですが、卒業生を送る会などが学校や学童で開かれています。

うちの子供が通う学童でも数年ぶりに6年生を送る会が企画されています。
ただ今回は、定員の関係で現6年生だけでなく現5年生もいったん退所となります。
それが影響してかどうかは分かりませんが、6年生を送る会の企画を5年生が中心となってするかどうか尋ねたところ、引き受けてもらえなかったそうです。
そこで4年生に話を尋ねたところ、引き受けてくれて今、計画をしており、4年生のうちの子も非常に張り切っていました。

この4年生は新型コロナの流行時に小学校に入学した学年です。
入学式の翌日から夏休み少し前まで学校が休校となっていました。
授業だけでなく、各種行事も中止や縮小される中でこれまでの学校生活を送ってきました。

今年度、新1年生の歓迎会の企画が出されたときに、4年生の一部から「自分たちはやってもらってない」との声が出たそうです。
学童の指導員の方が思いや意義を丁寧に説明されて、その時は納得して一緒に企画をしたそうです。
歓迎会の時に楽しくできたためか、今回の送る会の企画をする中で、調整が必要なことがあっても、押し付けられたという気持ちでなく、自分やみんなで引き受けていくという前向きな受け止めの中で準備が進んでいるそうです。

このお話を聞いたときに画一的な学校と個々の成長や思いを大事にされている学童との違いを感じました。
5年生が企画を引き受けなかったときに、もし小学校であれば、先生が無理やりにでもやらせる方法を採ったと思います。
しかし学童では引き受けないという選択肢を尊重しており、5年生も大人と同等の権利も持つ一人の人間として対応されたと感じました。
しかも引き受けなかったからそのまま放っておくのではなく、きっと4年生に歓迎会のことについて話されたように、5年生にもあらためて思いや意義を伝えられるのだろうと思います。

4年生は過去には自分たちにしてもらえなかった行事をやることについて拒否を示しました。
しかし、その体験や今年、学童で自分たちが行事を企画した経験があったためか、今回は積極的に企画をしています。
自分たちがしてもらったことを周りにお返ししようという気持ちや、自分たちはしてもらっていないものを他人が受け取るのは不公平に感じるという損得勘定の気持ちは理解できます。
4年生はたまたま丁寧に思いに寄り添ってくださる学童指導員の方がいたので、自分たちがしてもらっていないことにも取り組めるようになりましたが、やはり自分たちがしてもらう立場になる、体験できている、ということが基本なのだろうと思います。

大人になれば、自分の責任の下にお金や時間を使って体験を選択することができるようになります。
しかし、そこで選択するものは今までに自分が体験してきたことがベースになるのではないでしょうか。
新しいことに挑戦したい、という気持ちもありますが、日々の大半はこれまでに経験したことのある内容です。
そう考えると、子どものうちから様々なことをまずは体験する機会を設けることの重要性を感じます。