ありきたりな職場体験ではベンチャーは生まれない

滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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キッザニアで弁理士事務所のパビリオンが期間限定で開かれたそうです。
弁理士は特許や商標などの知的財産権について、特許庁に出願したり、侵害されている場合に弁護士と共同で訴訟に参加したりします。

特許も商標も多くの人が一生のうちに関わることも少ないですし、それを仕事にする弁理士も初めて聞く子供が多いはず。
人気のキッザニアとはいえ難しいのでは、と思っていたら、そのことを取材した記事がありました。

実際に子どもたちが体験すると、さすがのキッザニア。
難しい言葉を使わずに子どもたちに大意を理解してもらい、商標の出願を特許庁に出し結果を聞くところまでを体験します。
記事内で特許庁に書類を提出した後の子どもたちが、まるで確定申告を終えた後の大人のようなグッタリ感で表現されていたので、いかに入り込んで体験していたのかが分かります。

小学生の将来の職業の夢や、中学生の職場体験、大学生の就職活動でも挙げられる多くがBtoCの生活に身近な職業ばかりです。
それも商店街の八百屋さんや魚屋さんなどが無くなったため、自営業ではなくてスーパーなどの企業のイメージが強いのではないでしょうか。

仕事というものを感じたり考え始めるスタートは身近なところからで良いと思うのですが、消費者が直接目にすることが少ないBtoBや弁理士のような士業など実際は幅広いものがあります。
それらを目にしたり耳にする機会が無いので、大学生の就活でも学校を卒業してどこかに勤め人として就社するような考えばかりになるのではないでしょうか。
早いうちから労働観を育てるために、中学生の職場体験などもあるのでしょうが、例えばスーパーの品出し作業をしても、早く大人になって仕事をしたい、とはなかなか思えないでしょう。

先日の「未来のジャム」特別編の中でゲストスピーカーが「現場こそが最先端である」「現場で起きている問題に対して現在の制度を飛び越えて対応を作っていく」「飛び越えた対応に対して法律が後から追いついてくる」と話されていました。
そして、この法律が追い付いていない時代を先どった内容を実施していくことはいわゆる「ベンチャー」と言えるのではないか、と語られていました。

小学校から高校まで、どのレベルの学校でも社会の問題点や自分たちでできることを考えさせますが、そのことに絡めながら職業についても触れていけば、既存の企業に勤めようとする子どもたちばかりでなく、自分たちで時代を先取った会社を作ろうとするベンチャー企業が生まれるのではないか、と感じました。