滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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ウチの長男は学校の勉強はよく理解していると感じますが、宿題は邪魔くさいようで殴り書き状態でやっています。
長女も基礎的な学力は付いていると感じますが、時々「面倒くさい」といって宿題をボイコットします。
まぁさっさと終わらせたい、やること自体が面倒くさい、という二人の気持ちは分からなくもないところです。
毎日新聞に「てつがくカフェ」というコーナーがあり、子ども達の質問に大学の哲学の教員が答えています。
小5の子が「毎日宿題が出て・・・なぜ勉強するの?」と質問していました。
哲学者らしく、まずは問い自体を色々な切り口から考えていました。
・家に帰って他にやりたいことがあるのに勉強を最優先しないといけないのか
・宿題は暗記や反復ものばかりだが、なぜそんなに覚えなければいけないのか
・勉強は自分の可能性を広げるためだと思うが、宿題はそれに繋がっているのか
・そもそも先生はなぜ宿題を出すのか
・先生が宿題を出すのは習慣や思い込みではないのか
・社会が小中学校で習ったことは全員理解している前提になっている
・一人一人に必要な勉強量は違うのに、全員が同じ内容の宿題でいいのか
なるほど、どれも面白い切り口でしたが、何かしらの答えが出ていないところは少しモヤッとしました。
子ども達が通う学校で担任の先生や校長先生に尋ねてみると「学力の定着」を一番に掲げられます。
ただこれを子どもに説明するためには、学力とは何であるか、定着とはどういうことであるか、という定義が必要です。
さらに言えば学力や定着は何によって測定されているのでしょうか?
現実には、そんな細かなところまでは定義はされておらず、各先生方のフワッとした感覚の中で語られているのでしょう。
子ども達からの話や垣間見る学校現場を見ると、子どもの人数こそ減っていますが、心理面を中心に昔より手厚い指導をするようになっています。
また消費者教育など「◎◎教育」という名前の新たな学習内容が次々と現場に降ってきていて先生方は少ない時間で何とか対応されているのを感じます。
そのため新たな教育方法を検討する時間が取れず、どうしても従来からのマス教育、一斉教育の中で指導が行われるのでしょう。
その延長として、宿題についても記憶・反復型の全員同一内容の宿題が出されているのだと思います。
手立てとしては、先生の人数を増やすか、必須の授業以外のものを減らすかだと思います。
先生の人数を増やすことは人件費の問題からも難しいでしょうし、そもそも最近は教員志望の人が減って確保すること自体が難しくなっています。
そのため、必須の授業以外のものを減らすのが一番効果的でしょう。
特に「◎◎教育」関係は、全員タブレットで個々に学習して、理解や進捗もタブレット内のテストで確認する形でいいのではないでしょうか。
この3月で定年退職された校長先生とお話しした時にタブレットによる個別学習について話すと「やってみたが上手くいかないことも多い」と否定的でした。
だからといって従来型の学習が上手くいっているわけでも無いです。
始めたばかりのことなので上手くいかない面があるのは仕方ないので、試行錯誤で改善していく姿勢が大事なのだと思いますが、その試行錯誤をする時間と体力も先生は失ってしまっているのかもしれません。