滋賀県高島市の住職系行政書士の吉武学です。
遺言・相続・葬儀・埋葬・終活のお悩みに「三つのそうだん」でお応えします。
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昨日は、お昼にいわゆる異業種交流会に参加し、夜は関西相続診断士会に参加しました。
初めてお出会いする方が沢山いらっしゃったので名刺を交換してお話をするのですが、名刺の写真から私がお坊さんと分かると、お寺分野のお話が多くなります。
ご自身がどちらの宗派に所属しているとか、ご両親のお葬式の時の体験のお話などがまず出てきます。
そして私が思っている以上にみなさんがよく聞いてこられるのが、東西の本願寺はなぜ分かれているの?という質問です。
歴史的な経緯はインターネットにも載っているようなことなので、こちらをかいつまんで説明させていただいています。
東京の方には築地本願寺が浄土真宗本願寺派(西本願寺)の系列の寺院であることを説明すると、初耳だ、というかたも多くいらっしゃいます。
また、私が真宗大谷派の住職であることを説明すると、「西は浄土真宗本願寺派なのに、東は真宗大谷派と、浄土真宗とは名乗らないのはなぜですか?」と鋭い指紋があったりします。
ちなみに私も伝聞の情報ではありますが、明治期の宗教法人化の際に「浄土真宗大谷派」と届け出ようとしたところ、浄土宗の反対に遭い、明治政府から「真宗大谷派」なら良いと認可を受けたそうです。
そして戦後の新憲法下でお西は再度、「浄土真宗本願寺派」と届け出て認可されたと聞いています。
ちなみに宗教法人としては、「浄土真宗東本願寺派」とか「浄土真宗大谷本願寺派」も存在してややこしくなっています。
こうした質問は、日頃お寺と接触のない都市部の方だけにあるのではなくて、ウチのお寺の御門徒で熱心に聴聞に通われる方からもしばしば聞かれます。
そう考えると、私たち僧侶や寺院が色々なことを上手く伝えられていないのだ、ということを感じます。
とは言っても、いきなりマニアックな情報をお伝えしても、皆さんの興味は引かないでしょう。
多くの方は、どこのお寺とかということは関係なく、観光名所としての建物や桜や紅葉などの自然の美しさに興味を持たれて訪れたりします。
その際に、興味を引きそうな情報、特に「なぜ?」と思う情報を伝えると、より突っ込んだ内容を知りたいと思われます。
このタイミングで、本願寺などが公式のページに、軽い情報からマニアックな情報まで、知りたい情報を細かく分けて、簡単にアクセスできるようにしておくことが大事だと思います。
これはお寺のことに限らず、相続のことにも通じることだと感じました。
セミナー等で興味を引くタイトルや話題を提供し、関心を持ってもらっていますが、限られた時間ではお一人お一人に合わせた詳しい内容まではお話しできません。
個別の相談会も合わせて開催しますが、まだ相談するほどでもない、と思われる方も沢山います。
そこでセミナーで「もう少し詳しい情報をホームページに載せていますよ」とお伝えして、見ていただきさらに考えていただく。
こういう一連の流れをもう少し組み立てていく必要があるな、と感じました。
来年からは、このコラムの中で相続のことやお寺のことで知りたいと思った情報で、簡単にアクセスできるようなアーカイブ的なものをもう少し組み立てていこうと思います。